「改正DC法、DC制度運営に対する影響と対応」

 2016年5月24日に「確定拠出年金法などの一部を改正する法律(平成28年法律第66条)(以下「改正DC法」という」が成立、2018年1月1日から掛金拠出が月単位から年単位になるほか、5月1日からはDC制度の運用改善を図るものとして「運用商品数の抑制」、「継続教育の努力義務化」、「指定運用方法の規定の整備」などが施行されることになりました。このなかでは、導入後の継続投資教育の実施有無および開催頻度を報告する必要があることに関しては、担当者各位の関心が高いと思われます。
 しかし、簡単に継続投資教育を実施できる状況にはありません。とくに無関心層に対してどのように効果的な教育をするか、社員間のバラつきをどう少なくするかなど継続教育を実施するに際しての課題、悩みは尽きません。
 当コラムが現状突破にむけたヒントになれば幸いです。また弊所は今後とも、上記課題・悩みの解決に向けた知見を蓄積し、引き続き問題提起をしていく所存です。

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“社員間相互コミュニケーションの活用”による効果的な継続教育を!

概要

 我々が実施した調査に依れば、継続教育を実施しないよりは実施したほうが良いとはいえるものの継続教育が加入者員の制度理解・制度関与の向上に役立っているか、といえば必ずしもそうではない。企業型DC制度導入企業の中には、具体的な成果目標をもって継続教育を実施しているというより、実施しなければならないものとして継続教育を実施している企業も散見される。
 多くの企業にとっては、継続教育をしたくとも‘効果的・効率的な継続教育をどのように立案し、実施するかがわからない’、また仮に継続教育を実施したとしても‘加入社員の制度理解・制度関与にどの程度役立ったのか、確信があまり得られていない’。
 とくに若年齢層社員を中心に、どう自分の問題として企業型DC制度を受けとめてもらえるか、
効果的な継続教育およびコミュニケーションの実現に向けて、導入企業の模索が続いている。
 とはいえ、公的年金に100%依存出来るシナリオは消え、老後に向けた個人の自助努力や企業年金の重要性が高まってくる。このような状況を考慮した場合、社員がDC制度や他の資産形成向け福利厚生制度を活用して安心できる老後に備えるための継続教育は、今後ますますその重要性、意義が高まってくるはずである。そのためには、社員が自分の問題として企業型DC制度を受け留め、積極的に当制度への関与を促す効果的な教育・コミュニケーションの開発、実施が求められる。
 そこで、当小論は効果的効率的な継続教育をどのような新しい視点で設計するのが良いか、
従来型の継続教育に加えて、どのような教育・コミュニケーションを組み立てるか、をまとめたものです。

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確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望(最終回)

概要

 最後に、厚生労働省企業年金部会の議論で整理が行われ、今般は法制化されずに引き続き検討されることになった項目について概観する。
 これらの項目は、税務当局(財務省)との折衝があり、厚生労働省の頑張りが期待されるところだが、今改正では見送られた拠出限度額の引上げなど非常に重要な項目が残されている。
 一部は以前に説明しているが、非常に重要な部分なので形を変えて説明する(以下、本文参照)。

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確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望(第3回)

概要

 今回は、図表を交えながら、今回改正に盛り込まれた内容を手短かに説明して行く。また、それぞれの課題についても簡単に触れる。全体的には、悪くはない内容である。
なぜならば、100人以下の小企業の場合、DC制度の新規導入に関し

   ・事業主は事務手続き等の煩雑さで、金銭以外の理由でも躊躇する
   ・運営管理機関(運管)も採算的に厳しいため積極的な営業が出来ない

 ということで、本来であれば、出来る限り幅広く加入者を増加させるべきDC制度において一種のブラックホールとなっているからである。
 ただ、そうは言っても、掛金上限5,000円の案件を運管が獲りに行くか、というと疑問で、寧ろ、既存の総合型DCの一つとして「簡易型DC制度」を位置づける案も浮上している。いずれにしても商品数を3個に限定する意味は少ない、と考えている運管は多く、今後、どのように小企業DC取引を拡販するかは、依然として大きな課題であろう。(以下、本文参照)

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確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望(第2回)

概要

 【第1回】では、今回の改正の底流に流れる背景について説明したが、一言で言えば、「公的年金が細る中、やらざるを得ない改正」であるということです。
日本人の定年退職後の生活(老後生活)を相応の水準とするためには、
  ・まず定年後の雇用を活性化させる(雇用は老後生活の最大の防御)
  ・公的年金を補完する企業年金を、中小企業を含め極力広範囲に対象者を広げる
  ・それに加えて、全国民を対象に自助努力の仕組みを活性化する
という政策を取る他にないわけで、下の2つが今回改正のポイントとなる。

 今まで企業年金は、適年、厚生年金基金、DB,DCとそれぞれ独立した法律の建付けで運営されてきた。前回にも述べたが、やりたい企業が好きに制度を選択して導入すれば良かったからである。つまり、労使合意のもと「やりたいようにやってください」というものだった訳である。このような労使合意に基づく“自由な設計”という考え方は、退職一時金制度を源泉とする日本の企業年金制度の世界において発足以来綿々と生き続けてきた。結果として、企業年金を持つ余裕があり、社員の老後まで面倒を見たい大企業が推進の中心となっていったのだが、大企業の社員は全労働者からみればほんの一部に過ぎない。
 このままでは非常に拙い事になるのは目に見えている。
同様に、会社を辞めれば退職一時金という”お金“が貰えるというのは、支払う側の事業主も、受け取る側の社員も当然のこととしてきた(歴史的に日本の企業年金制度はそれ以前に一般化していた退職一時金制度をルーツにしている)。
 しかし、退職した際に、仮にそれが定年退職であっても、一時金で受領したお金が老後資金として有効に機能する保証はない。まして中途退職の場合、折角貯まっていた老後資金を使ってしまうリスクはかなり大きいと思われる。

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確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望(第1回)

概要

 厚生労働省は、公的年金制度にお見直し等に合せて企業年金制度の改正を目指して、2013年10月に社会保障審議会企業年金部会を立ち上げ、計15回に及ぶ部会審議の後に、2015年4月に「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」を提出した。
 「法律案」に盛られた内容は、部会で審議されたものの全てを含んではおらず、特に税制関連項目に関しては、今後財務省との交渉を踏まえてより深化していくものと期待される。
税制上の課題はいずれ述べるが、少なくとも、企業年金部会等を通して厚生労働省が企業年金を今後どのような方向に改正させていきたいのか、という姿が見えてきた(以下、本文参照)。

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確定拠出年金法改正:効果的な継続教育をどう実施するか

概要

 ボリュームゾーンである「無関心層への対応、効果的なアプローチ」は、DC制度導入企業にとって、継続教育実施上の最大の悩み・課題となっています。
 一般的に‘バラツキが大きいのでバラツキを縮小する’方法として通常に行われるのは、トップ層でなくボトム層に働きかけて底上げを図り、両者間の距離を縮める方法でしかありません。
 しかし、従前までの継続教育では、ボトム層(無関心層)の参加は驚くほど少なく、DC制度に無関心・無理解 なボトム層は、恐らく教育告知の情報に接しても、"自分には関係ない”として、素通りしてしまうことが多いのです。
 いきなり従来の継続教育に参加するには無関心層にとって壁が高く、その結果、本来参加してほしいボトム層は参加せずに"関心の高い層中心の教育研修”になっています。概ね継続教育の参加率は、平均で10-20%にとどまり、圧倒的多くの社員は置いておかれることになります。
 ではどのようにして無関心無理解なボトム層の参加を促すのでしょうか。
当問題提起論文は、上記のような課題・悩みに対応するものとして、その突破口となる考え方をまとめたものです。企業のDC制度担当者、運営管理機関教育担当者のご参考に供することができれば幸甚に存じ上げます。

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社員のリスク認知、リスク対応力向上によるDC制度関心・関与の向上を!

プレビュー(内容一部抜粋)

 高齢化、グロ―バル化、流動化が進展している状況下、当面は右肩上がりの経済成長は望めそうにない。不確実性は、ますます高まっている。お金だけでなく人的ネットワーク、健康、稼得能力、時間などの諸生活資源を活用しながら、様々なリスクを戦略的に設計・管理することで夢や幸せを実現することが求められる。そのためには人生(一生)という長く困難な道のりを歩むための「知恵と武器」を獲得し、自らのものとしなければならない。 
 そういう意味では、これからのライフプラン(生活設計)とは個人がリスクとチャンス(自己実現、夢、機会)を取り込み、主体的に自らの人生を切り拓く“リスクマネジメント”として捉える必要がある。リスクとチャンスをいかにマネジメントしていくか、高齢化リスク(長生きリスク)への対応ツールとしてDC制度をどう捉え、活用していくか、リスクマネジメントの思考と技法をライフプラン研修の中で教育することが求められる。「リスクを徒らに回避するのではなく、逃れられないものと意識してリスクとうまく付きあって長い人生を生き抜く」、筆者はこのような考え方に則ったライフプラン研修こそDC制度との親和性・連動を高め、当該制度に対する社員の関心・関与を促す道であると考えている。
 効果的なDC制度運営は、効果的な継続教育・コミュニケーションによって実現される、そのためにも継続教育及びライフプラン研修を抜本的に見直す時期にきているのではないか。
  当小論文は、上記のような問題意識からまとめたものです。   ・・・・続く

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先行企業にみるマッチング拠出の動向と課題

プレビュー(内容一部抜粋)

 2012年1月からマッチング拠出(企業型確定拠出年金制度における本人拠出)がスタートした。企業年金連合会が昨年9月に実施した「第4回確定拠出年金制度に関する実態調査」によると*、“マッチング拠出を実施している”企業の割合は23%であり、“実施に向けて準備あるいは検討している” 企業の割合20%を合計すると4割以上の企業でマッチング拠出を具体化させており、DC制度導入企業における積極的な取組意欲を窺わせている。
 しかし、上記調査では、実際のマッチング可能者のマッチング拠出利用率は、平均で20%であり、また実施企業の約4割が利用率10%未満であるなど制度加入者がマッチング拠出をあまり実施していない現状も報告している。
 それではなぜ加入者はマッチング拠出を行い、実施しないのであろうか。どの層が実施し、実施していないのであろうか、利用促進要因または阻害要因は何か、我々は何を行うことで加入者のマッチング拠出を促進することが出来るのであろうか。        ・・・・・・・続く

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確定拠出年金制度に対する理解・関与における自己調整活動の有効性

プレビュー(内容一部抜粋)

 当論文では、我が国における確定拠出年金制度(以下、DC制度という)における目標設定
とモニタリング(運用動向の監視と乖離があった場合の修正という一連のプロセス)という
「自己調整」概念を導入した場合、このようなDC制度における自己調整(自己管理)行動
がDC制度に対する理解・関与に、どの程度積極的な役割を果たすのか、つまり、加入者の
当該制度に対する積極関与の動向を判断するに際し、自己調整(自己管理)行動が効果的な
指標になりうるか、を検証するために執筆されたものである。     ・・・・続く

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